2010年6月10日木曜日

VATICAN、再び

やはり、あのアナウンスに負けてOttavianoで下車してしまった私。
外にでると、さっぱり道がわからない!
以前来た事があるというにの、地下鉄で来ていないし、
こんなところを通ったこともない。
フィレンツェがほんとに小さな街だったんだな
と改めて思う瞬間。
「sempre dritto, dritto」(ずっとずっと真っすぐだよ)
と、通りすがりの人たちに助けられ、あのそびえ立つ
壁が見えた時には、ほっとした。
あとで地図を見て、なんでこんなところで迷ったんだろうか
と思う事ばかり。


あの壁沿いにさぞかし列ができてるだろうと思いきや、
何? ぜんぜんないではないか!ちょっと拍子抜けしてしまったよ。
ま、すいているにこしたことはない。
入り口の右付近にいるスタッフが、プリントアウトした
Voucherのバーコードを機械で読み取り、
セキュリティチェック後、チケットに変えてもらって
行動開始である、が、もう くたくたの状態。
とりあえず、地下のカフェテリアで腹ごしらえだ。
トレーを取り、あらかじめセットになっている種類を
自分で選び、その物をどんどん取って行くシステム。 
フレッシュなジュースとリゾットやピリ辛に
煮込んだ肉のセットで元気をだす!
これにパンもついて9ユーロとはお手頃価格。
こんなところで、お腹一杯食べていたんじゃ、
歩きまわれないからね!


ここに再び来たのは、この方、ラファエロ様に会うため。
あの有名な、アテネの学堂の壁画を通り越して、
システィーナ礼拝堂まで行ってしまい、もう後戻りが
できなかったのだ。 まったく、私くらいのものだろう、
こんな所まで来て肝心な絵を見逃すヤツは!
おかげで、再びここに戻ってくることができた。

それと、もう1つはボルジアの居間を見る事にあった。
教皇アレッサンドロ6世(ロドリーゴ・ボルジア)
の三女であり、3度の政略結婚で数奇な運命をたどった、
ルクレッツィア・ボルジア。ルネサンス時代を駆け抜けた
女性だ。 その彼女をモデルとした、
ピントゥリッキオ作のフレスコがある部屋へ。
居間というのでsalottoかと思いきや、appartamento
なのね。 なのにその壁画がある部屋は、ロープが張られ入れず。
でも、覗くとなが〜く広げた金色の髪に両手を会わせている彼女が、
しっかり見えた。美しかった!!
スタッフに聞いたら、「彼女はちょっと変った女性だったんだよ。
シニョーラ、彼女のファン?」と聞かれたが、
いや〜別にファンじゃなくて、、、、と答える。
塩野七生著の”ルネサンスの女たち”をちょいと読んだものですから
なんてことも言えず、締めのシスティーナ礼拝堂へ。
再びミケランジェロに陶酔し、しばらくあの青さに魅かれて、
ベンチに座ってずっと眺めてた。2回目は、最初の時のような
驚きの感動はないがやはり見入ってしまう。
というかこの雰囲気に圧倒させられる。
隣に座ってらしたおじいさんは、
お疲れのせいか眠ってらっしゃった。(もったいない)
ついでにボッティチェリも参加してる絵を拝見。

それでは、そろそろサン・ピエトロ大聖堂へっと
団体出口から出る出口がない?!
再び外の出口からぐるりと回り込んでサンピエトロ広場にでると、
なんと、ぞくぞくと黒いカソックをまとった聖職者たちが!
あ〜ぁ いけませぬ、あの衣装を見るとドキッとして胸が
高鳴るのです、わたくし。

ひとり、ぽ〜〜っと見とれてると、
「これから、フェスタが始まるからもう大聖堂の中へは入れないよ」っと
警備員が教えてくれた。写真が飾ってあったが、どなただろう? 
ヴァチカンの情報をチェックしてないから、わからなかったけど。
囲いで覆われた周りをたくさんの人たちが、日陰に逃げ込んで、
どうしたものかと座り込んでいる。
私も、ではプランBを!っと頭が回転しない。
当初の予定は、大聖堂の中をゆっくりと見た後、クーポラに登り、
ここからすぐの地下鉄Repanto駅近くのリストランテ”Taberna de' Cracchiで
上手いものでも食べに行こうと思っていたのに・・・・・・・

暑くて、暑くて、さっさとタクシー乗り場へ向かう。
イタリアのタクシーは、ぼったくりで有名なので、
タクシーはタクシー乗り場でというのが基本である。
2回目だというので安心していた私。

たくさんの車が客を待っている。

自分の車の外で立っていた男が、どうぞっていうから乗ったのはいいが、
「テルミニ駅まで20ユーロだけど、いい?」
っとタクシーの運転手。

は! 何? ちょっとぉ!


ふと運転席あたりを見る・・・・・・

あれ? メーターがない! うわ!やられた!


”ブルータス、おまえもか!”、フィレンツェのぼったくり
未遂事件といい、ローマまで来てまでまたこれとは。。。
情けないやら、悲しいやら、腹立たしいやら。
しかし、こんなところで降ろされても、この暑い中を、
とことことまた歩くのがめんどくさい。
アンタにチップでくれてやるわっと開き直った。
(幸いのユーロ安だから、こんな気持ちにもなれる)
このタクシーのナンバーでもひかえてやろうかと
思ったが、提示された料金に自分も承知したのだから、
これは、ぼったくられたとは言いがたいし。
後で、ホテルのフロントにそれを話したら
夕方だったし、それくらいだけでよかったねっと。
「アンタはラッキーだったよ、シニョーラ」って言われた。
上には上があるらしい。
いろいろ学ばさせてくれるわ、イタリア。
ホテルに戻って一人、部屋にいても落ち着かず、気がついたら
8月に雪が降ったという伝説の場所、サンタ・マリア・マッジョーレ教会で
賛美歌を一人ぼ〜っと聞き佇んでいた。
ここにくると、心が落ち着く。確か3年前もこんな夕方に
一人ここに来ていた。 
あ〜ぁ、なんでこんな国に恋しちゃったのかしらね・・・・・

明日、古代ローマ人にでも聞いてみるとするか。

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