2010年6月11日金曜日

TRASTEVERE

サン・シルヴェストロ広場のバスターミナルまで歩き、
バスに乗ってサン・ピエトロ大聖堂前に着く。
っと後ろから誰かが私の肩を叩く。

ん? 誰だね?

おぉ、午前中、サンタ・マリア・イン・コスメディン教会で
一緒だった若者ではないか!
またこんなところで会えたとは、なんという奇遇な。
彼はこの大聖堂を見た後、午後7時に
予約してあるヴァチカン博物館へ行くと言う。
ヴァチカンでもナイト・ミュージアムとか
いうのをやってるのか。
人気が少なくなった場所で、彫刻が、今にも動き出しそうな、
なにやら不気味っぽいな・・・・・。
そんなどうでもいいことを思いつつ、セキュリティチェック
へ向かう。幸い、行列もなく、さっさと進んで行く。
彼は大聖堂へ行くというので、私はクーポラの列に
ならんだつもり・・・・・・・・
だった!

っが、

何故か地下に入って行くではないか!
教皇のお墓ばかりが並ぶ。
ダン・ブラウンの小説 天使と悪魔によれば、
螺旋階段を降りて、薄暗い地下道とあるが
みょ〜に明るいではないか。
しかも、ある教皇のお墓の前にはたくさんの花が
投げ込まれている、
そして、その前で美しいパードレたちが
悲壮な顔で並んでいるではないか、
いったいどなたなのだろう?

おや? しかしなんでこんなところを通るの?
うわ!

どうも列を間違えたらしい。
あとで地球の歩き方ガイドブックを見ると、
左片隅に小さく列は間違えないでねっとある。
出口をでて戻るが、すでに閉鎖されて終わっていた。
なんたること・・・・・・・
次のお楽しみということで、
また、いらっしゃいということだね、これは。
って、私いったい何回イタリアに、サンピエトロに
来ることになるのだろう。



あった! ベルニーニ作、ウエスト・ポネンテ。
西風の神、ゼピユロス
3年前に目的を果たせなかった場所。
やっとオベリスクの周りに入る事ができ、
"天使と悪魔"の残りのアイテムを探す事が出来た。
感激である。
それぞれの方向に1つづつ、あんなにたくさんあったとは。

とにかく目的の1つは果たせた。
さあ、気になるお店があるトラステーヴェレに向かおう。
バスに乗るには・・・・、う〜ん 115番バスですぐか、
ってバス停がわからないが、ま、とにかく誰かに聞いてみよっと。
いつも私の旅は、この調子である。
よく調べもせず、とにかく行けば、聞けばなんとかなるだろう
の繰り返しで、いつも失敗をして学ぶ。
今回もまた然り。
115番ではなく、23番バスが停まるバス停まで
来てしまったようだ。
一緒にバスを待ってるブラジルから来た神父様も
トラステヴェーレまで一緒。
やってきた23番バスは、朝のショーペロの影響か超満員!
乗るのもやっとこさで、さっきの神父様もどこに行ったのやら。
まだ、着かないから大丈夫だと思って景色を見てると、
なんだかへんな方向に行くではないか。
慌てて、人をかき分け運転手がいる前のほうへ行って
運転手さんに声をかけたつもりだった

私:「あの〜、 トラステーヴェレに行きたいんですが。。。」

突然、近くにいた一人のシニョーラが、

シニョーラ:「アンタ!もうとっくにトラステーヴェレなんて
通り越したわよっ」

私:「えええ!」

シニョーラ:「最初の停留所で降りなくちゃ」

私:「えええ! 本当ですかっ ど、どうしたいいのでしょうっか!」

シニョーラ:「大丈夫、大丈夫、心配しなくても。バス降りてから
反対方向の3番バスに乗り換えるんだよ!
いい? これから降りるバス停が来たら教えてあげるから。」

私:「はい、 ありがとうございます、シニョーラ」

このやりとりが、英語とイタリア語混合で行われたのは言うまでもない。
ほんとに何と感謝していいのやら、ありがとう、シニョーラ。
そんな具合でトラステーヴェレにたどり着く。
あとで、ローマパスを買った時についてきた地図を見れば、
この23番バスで、目的地のメルカンティ広場がすぐだった
なんて、思いもしない。

旅というものは、思いがけない失敗があってこそ、
心に残るというものかもしれない。

トラステーヴェレ通りの道路脇には屋台がいっぱい、
活気があって、ほんとに下町っていう雰囲気だ。


サンタ・マリア・イン・トラステーヴェレ教会は、
ストリートミュージシャンもでてにぎやかな雰囲気の中、
結婚式もやっていた。
この階段に座ってみると、横に座っている男の視線が
スリっぽくてやばそ〜な気配。
さっさと通りを歩いて行くと、たくさんのリストランテが
列をなす。このあたりは、美味しくて値打ちなお店が
多いと有名なので、欧米人の観光客の団体が目につく。
そこからまだまだ歩いて、ミサの最中の
サンタ・チェチーリア・イン・トラステーヴェレ教会も
ついでにお邪魔して、細い通りを歩く。
めざすはメルカンティ広場にある、Taberna de Mercantiという
1600年代の古い館を利用した、ピッツェリア。
店内には、昔のローマ庶民の生活用品まで、
飾ってあるという。 ここで、ローマの伝統的
料理、チェチ豆のスープとローマ風ピッツァをテラス席で
食べるつもりでいたのだ。
広場にたどり着くと、似たようなお店がずらり。
入り口付近で、椅子に座っているカメリエーレたちに聞くと
「ここがそうだけど、あいにく、今夜は、団体の貸し切り
なんだよ、明日おいで。」と言う。
明日は、もう来れないってば。
なんたることか。
がっかりしてテヴェレ川沿いをとぼとぼ歩いて、
ふと思い出したのが、ミシュランの本にも載っていた
テヴェリーナ島のSora Lellaというリストランテ。
さっそく行ってみたが、やはり予約してないと
お断りだと言われる。 お店も意外にも狭くて
驚いた。後で考えても見れば、ミシュランに
載るくらいだから、予約なしなど無謀だった訳だ。

今夜は、あきらめてテルミニ駅付近で食べようっと、
再び歩いてバス停に向かう。がまたまた バスが来ない!
そこで同じバスを待っているオヤジが、話しかけてきた。
このオヤジ、バスに乗っている最中もず〜っと一人、
しゃべりっぱなしである。
しかも、英語。 もう 私は、すっかり落ち込んで
英語でもイタリア語でもしゃべりたくもない。
適当に相づちを打っていると、何やら自分はコンピュータ・
ミュージックもやっていて、坂本龍一をリスペクトしている
とか言い出した。

ん? 私、教授のメリークリスマスが
好きですが、、、っと言うと、相手は知らなさそう。
ならば、歌ってみようではないか、っと

つい歌ってしまう。

いやいやーーーー 合唱が始まってしまった!
こんなこと、絶対日本じゃやらない、っていうか出来ない。
ず〜っと二人で歌いながらテルミニ駅に着いたのだった。
落ち込んでいた私の心も、雨上がりの晴れのように
ぱ〜〜っと明るくなった。
食事でもいかがかな?と誘われたが、もう さすがに
一人になりたかったので、感謝の意を伝え さよならした。

ホテルに帰る途中、目に入ったリストランテ。
カブール通り際に出された外のテーブル席にふらりと座る。
名前ももう忘れてしまったけれど。
スプマンテをビッキエーレ(グラス)でお願いね
って念を押したのにもかかわらず、
わざわざボトル持ってきて、目の前でスポ〜〜ンと
心地良い音をさせて空けてくれた。
ローマ名物、ブガッティーニ・アマトリチャーナの
極太麺をぐるぐるフォークに巻きつけながら
食べていると、またアコーディオン弾きのおじさんが
どこからともなく現れた。 素朴な音楽に酔いながら、
今日はほんとにいろんなことがあって、いろんな人に
助けられたとしみじみ思いながら味わうのだった。

明日は、いよいよローマを離れてカプリ島だ。
いいことがたくさんありますように・・・・・。

2 件のコメント:

cecil さんのコメント...

こんばんは!
旅の日記楽しく読ませて頂いています。
トラステヴェレ、いいですね!
私、あっちの方行けなかったんですよ。
カプリ島にも足を運ばれたんですね。
うらやましいです!!

LEONA さんのコメント...

ありがとうございます、cecilさん
読んでもらえて嬉しいです。
トラステヴェレ、ちょっとまた違った雰囲気で
よかったです。行かれるなら夕方から夜が
お勧めです。