電車が運良く待っていたので、さっと刻印機に切符を通し、
地下道をくぐって乗り込む。
さて、フィレンツェ滞在の最後の時間は、
チェントロでゆっくり過ごすとしよう。
途中、表と中にえらくギャップがある、未完成の教会、
サン・ロレンツォ教会の中で、ドナテッロ作の素晴らしい説教壇を
見、ぐるりと教会内を見渡した後、惜しみなく宝石がびしばし入った、
豪華絢爛の祭壇道具が飾られるメディチ家のお宝館を拝む。
なんだかパワー分けてもらった気がして、急に元気なる私。
あまりにも青空とドゥオモが美しすぎて、ついシャッターを切ってしまった。
再び自分の目に、このドゥモが現れた日の嬉しかったこと!
ここからぐるりと裏をまわると、ドナテッロの工房跡とされる
建物が現れ、今ではレストランや、いろんなお店に変ってるが、ここに
生誕500年を記念して掲げられた記念碑が見える。
ドナテッロが亡くなったあと、彼の弟子とヴィロッキオがひきついだらしいが、ほとんどヴェロッキオの工房と化し、ボッティチェリが
ひんぱんに通ったと言われる。レオナルド様もここにいたんだろうな〜
タイムスリップして彼らに会いたくなってくる。
さて〜〜
喉も乾いたし、ミネラル・ウォーターも補給せねば・・・・・・
っとあたりを見回すと、あ!あった あった バール
イタリアでは、街を歩いていてちょっとトイレに行きたい時、
ちょっと何かちょっと食べたい時、 何かちょっと飲みたい時
気兼ねなく立ち寄れるバールがあるのがほんとに助かる。
さっきヴィンチ村でたっぷり太陽を浴びたので、
ビタミン補給ってことで生オレンジジュースと
ペットボトルの水を注文する。
っと、そこで値段を聞くと、マジ顔でトレンタ(30ユーロ)
というシニョーラ。ええええええ??
再び聞き返しも
また、トレンタ
っと言うではないか!
よほど私が、マヌケな観光客に見えたのかそれとも
すっかり疲れきってこれからオレンジを切って
せっせと絞るのがめんどくさかったのか、
それはわからないが、思わず私は、「高すぎだわ!」
とイタリア語で叫んだ後、壁に貼ってある料金表を見始めると、
急に5ユーロだと訂正してきた。
おい!冗談は顔だけにしてくれって言いたかったが
イタリア語で言えないのが悔しい!
これが俗にいう”ぼったくり”ってやつかと。
こういう時は、即座にそのバールから出るべきだったね。
いやぁ、でも、こういう逆境を逆手にもっとイタリア語を
勉強しなくちゃってモチベーション上がったよ。
さてさて、
気持ちを取り直して、念願だったクーポラへと上がる。
チェントロに自由な時間で滞在していると、私なりに
感じた、この場所の法則っていうのが見えてくる。
午前中は、日本人団体客の固まりが現れては消え、
午後には欧米系の団体客があちこち列をなす。
そして、夕方になる頃には、列もなくなり、
さっとドゥオモにも入れ、クーポラにも登れるということ。
先回に来た10月よりも、人が少ないということもあるのかもしれないが。
あとは、ほとんどせま〜い螺旋階段になっている。この途中で内側に入る
回廊があって、ヴァザーリとその弟子たちが描いた天井の
フレスコ画”最後の審判”を間近で見れる、すごい迫力だ。
しかし、よくぞ作ったものだと感心するほかない。
登って見渡す景色は、それはそれは素晴らしかったが、
それより何より、1400年代という昔に、
この巨大な円蓋をよくぞ作ったものだと。
設計者であるブルネレッスキと、職人さんたちに感謝したい気持ちで
いっぱいになった。
こんなに明るいのに時は、すでに夕方の6時半すぎだ。
とうとう、今夜はフィレンツェでの最後の晩餐か・・・・・
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