この日は、絶対にヴィンチ村へ自力で行くのだ
と計画していた。
っと、その前に、フラ・アンジェリコの受胎告知が
私の脳裏から離れない。
この壁画があるサンマルコ美術館は、平日となると
朝8時15分から13時50分で閉められる。
明日は、朝一でフィレンツェを発たなければならないし、
ヴィンチ村から帰って、午後に行ったのじゃ
もう、間に合わないということで、朝8時前に
サンマルコ美術館へ突進する。幸いにも
ホテルから、Nazionale通りをど〜んと突ききって
クロスしたXXⅦ Aprile通りを右にまわり
サンマルコ広場に出て、すぐだ。歩いて15分弱だったろうか、
あたりは、バス停があちこちにあり、大きなキャンパスを抱えた
学生さんがいたり、通勤の人たちでごったがえしていた。
この美術館は、サンマルコ修道院と隣接していて、
教会の入り口に近づくと、ミサの最中なのでと修道士に戒められた。
美術館の扉の前で待つ。
そこへさっきから私を見つめながらバイクに腰かけ、
タバコを吸っていたシニョーラが、8時15分になると
入って行った。スタッフの人よりも早く着いてしまった!
階段を上がると、ふぅっと現れるフラ・アンジェリコの受胎告知。
意外にも小さいのに驚いた。やさしい色に彩られ、
朝日が照らしているせいか、翼のあたりだけがチカチカ光る。
なんて美しいんだろう・・・・・・
マリア様の謙虚なお顔、何故か心が洗われる気がして、
一人、静粛な時間が流れた。
ここは、修道僧の僧房である小さなお部屋がたくさんあって
そこに宗教画がが掲げられている。美術館というよりも、
修道院そのままだ。
不思議に心が平静になり、おだやかになってくる。
かつての修道院長は、ルネサンス時代の人々に堕落を戒め、
悔い改めよっと説いたあの怪僧サヴォナローラだ。
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