2007年10月9日火曜日

「天使と悪魔」 in ローマの平日

当たり前のように紀元前の遺跡が、
ごろごろ転がってるローマ旧市街。
よくぞここまでご無事でと感心するくらい残ってて、
信じられないくらい。
ここで、塩野七生女史作「ローマ人の物語」の
超大作を 読んでいたなら、
歓極まってちょ~涙モノだろうけど・・・・。
シーザーが歩いた遺跡とか身の毛もよだつ格闘が
行われたコロッセオに歴史を感じるのもいい。
が、今の私にとってはツアーについてる市内観光くらいでよし。
ぽきぽき折れてる遺跡に、美しさをあまり感じない私。

だいたいローマに惹かれたのは、
あのダン・ブラウンの小説「天使と悪魔」にヤラレタからだ。
ダン・ブラウンがインスピレーションを得た場所である、
地図上で十字に結ばれた、
空気、水、土、火の場所にどうしても行ってみたかった。
そして、反キリスト教の秘密結社 イルミナティの
メンバーの中にこっそりいたと言われる巨匠ベルニーニ。
バチカンお抱えの宗教彫刻家であった彼が、
自分の作品でこっそり同じ仲間であるイルミナティの
優秀な科学者たちに 啓示の道を敷いた作品を
たとえ作り話であっても、この目で確かめてみたかった。
まったく、ミーハーな自分に、自分でもあきれる。

*注:ネタバレ少々あり*
ローマでは、初日からいきなり自由行動。
朝イチて突入するはずだったヴァチカン博物館、
そのオプショナルツアーが突然都合で催行されないと聞いて
がっかり。なんせ団体予約が優先で個人で並んで入るには
かなりの待ち時間に なる可能性があると聞いていたからだ。
しかし、ここまで来てあきらめるなんて 私にはとうてい考えられない。
とにかくお昼12:00にツアーコンダクターさん、
同じツアーの人達2人とそこで落ち合う約束になった。

テルミニ駅付近にあるホテルを8時40分すぎくらいにでると街は 、
すごい通勤ラッシュ。 さも通勤してますような顔をして、
共和国広場をぬけ、サンタ・マリア・デッラ・ヴィットリア教会へ
向かってとっとと歩く私。 しかし、ローマっ子は、
歩行者の信号が赤だろうが 黄色だろうがお構いなし。
特に信号のないところなんぞなかなか途切れない
スクーターの軍団にひかれそうで 道路渡るにも
こっちは命がけだわよ。

地図で見るとすぐそこなのに、なんか時間かかるな~
それでも、なんとかたどりついた
サンタ・マリア・デッラ・ヴィットリラ教会。
ほんとに火のごとく祭壇もキンキラキンに輝いてる。
出勤前の礼拝に訪れる人がちらほら。
ひっそりと厳かの中に、あった あった 性的表現が
含まれるという理由でヴァチカンから拒絶された
ベルニーニ作 ”聖テレサの法悦”

あ~なるほね~、この表情は確かに危うい
聖女テレサの悶え声が聞こえてきそうなくらい表情がすごい!
しかし、この天使のいたずらっぽい笑みが、みょ~に怪しい。

次に向かうは水、バルベニーニ広場



以外にちんけな噴水に思わず、近くにいた人に
この噴水がトリトーネの噴水?っと聞いてしまったよ。
その背後にベルニーニというホテルがあるが、これが
ラストシーンのあのホテルか?
VIP御用達のホテルにしては、以外にイメージ崩れた。





そろそろ歩きつかれた。
トイレと飲み物はバールでと聞いていたので、
初めてバールに入ってみる。
ひょっこり入った店は、薄暗くてちょっとやばそう。
中には、ゴッド・ファーザーの雰囲気漂う
マーロン・ブランドもどきのオヤジが一人。
一応 習ったイタリア語で「ウン・エスプレッソ・ペルファボレ」
と言って見る。
おぉ 通じて嬉しいを喜んだ矢先、
いざお金を払う時になって、
慣れないにユーロに、もたついてると、
ひとさし指をテーブルにとんとん鳴らしてから
せかすオヤジ。まったく、びびりまくって
エスプレッソもまずかったわよ。

バールに入るにもたいへんだなにゃ~こりゃと思いつつ
スペイン広場にでる。
ローマの休日でオードリーがジェラートを食べてたあの階段があるところ。
朝、早かったせいか人もまばら。
一応座っては見るものの
あまり感動なし。


先を急ぎますの勢いで、
土の意を持つサンタ・マリア・デル・ポポロ教会にたどり着く。
キリスト教の礼拝堂には不似合いだとされる
大理石のピラミッド発見。










ここで、ベルニーニ作 ”ハバククと天使”に感動。
天使の指がどの方向をさしているか再確認して、
おぉ これが”気高き探求に天使の導きあらん”
(ダ・ブラウン小説「天使と悪魔」より引用)
の道しるべかと一人うなずく。





おっと床にある骸骨の図案、悪魔の穴を見逃すところだった。












さて、、、ポポロ広場のオベリスク周りにもにもそろそろ人出が出だした。


あ、そうだった!
この広場から放射状に突き出る通りの1つ、コルソ通りの付け根にある
小説で出てきたカフェにはいらねば。
ロザッティ・カフェ、



本の中では、イタリアの知識階級に人気のスポットで
そよ風にエスプレッソとペストリーの香りが・・・とあったが
まさに、一口サイズのペストリーの数には驚いた。
店内は明るくて雰囲気がすごくいい!
知識の無い私でもなにかオーラを感じたぞ。
それに、なんといってもバリスタの愛想がいい。
朝入ったバールとはえらい違いだ(あたりまえ)。
そろそろ歩きつかれた体が糖質を欲してるのがわかる。
選択しがたい種類豊富なペストリーの中から、
黒やら赤のラズベリーがちょこんとのった
タルトとカップチーノで気分最高。
しばらくすると、めちゃくちゃクールなブロンド女性が
入ってきた。 黒地に縦じまのマニッシュなパンツスーツ、
日本人だったらダサいの一言だが、ディオールのバックを
小脇に抱え シャネルのサングラスが体の一部のように自然だ。
よく考えたら、ここからスペイン広場に向けて少し戻った付近に
ブランド街があったのを思い出した。

さあ 次はパンテオン付近へ
地図では、ちょっと距離あるし・・・・
でも夕べ着いたばかりのローマ、
タクシも地下鉄も不安だ
えい! この際 歩いちゃえってなことで
ひたすら歩いて、迷って
パンテオンのすり鉢が見えたときは感動した。
まったく、着いた夜は夜中12時過ぎてたし、
はじめてのヨーロッパで脳が興奮状態。
よく眠れなかったのに、この体力には自分でも驚いた。
日々、ジムとウォーキングで鍛えた甲斐があったもんだ。



  












パンテオンの天井の直径約9mの穴、
オラクルから差し込む日差しは
素晴らしく美しい。
ラングドンは、、悪魔の穴と言ってたけど、
私には、そこから天使たちが舞い込こんでくる気がする。
雨の日は、この床が濡れちゃうんだろうな~
なんて心配しながら、
ナヴォ-ナ広場へ向かう。


想像してたよりも以外に狭かったこの広場
おまけに楽しみにしてた4大河の噴水は
オベリスクのシロハトを見れたものの
周りは、修復中で工事の足場だらけ。


絵描きさんたちがこぞって自慢の絵を
並べていた。 ふ~む 大した事無いな
と思うものから、思わず吸い込まれそうになる
すごい力作のものから多種多様。
水彩画だったろうか、モノクロで描かれた
メリハリの利いたコロッセオの絵には
あっと息を呑んだ。


さあ 4つめ、残りの空気を意するサン・ピエトロ大聖堂へ
しかし、道がわからん
建物の壁にそれぞれ通りの名前が
はってあるのだけど、今いる自分の通りの名前が地図に
載ってないちゅーーの!
通りがかったばーちゃんに聞いても
私にはイタリア語が理解できない。
そのばーちゃんも英語が理解できない。
とにかく、行けばなんとかなるだろ
ってな具合で、サン・ピエトロ広場前の道路に着いた。
風のアイテムであるベルニーニのウェスト・ポネンテ、
ゼフィロスの顔はあのオベリスクあたりだったような・・・
あ、でも もう時間がない
明日にしようっと。
そろそろ待ち合わせのヴァチカン博物館へ
向かわねば・・・・・



つづく

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