2009年1月28日水曜日

Andrew Yeth展に行く



2009年1月4日から3月8日まで
愛知県美術館で開催されている
アンドリュー・ワイエス展、
アメリカン リアリズムの画家で
素描からテンペラ、水彩まで150点が展示されてある。
習作から水彩画、あるいはテンペラへと
移っていくプロセスを作品で語っているのも興味深い。

リアリズムは好きだ

だが、
ほんとは、
あまり興味なかったのだ

卓越したテクニックを駆使して
写真のごとき精巧なのだろうと
思いきや すっかり裏切られた。
そんな領域なんぞ
はるかに超えていたのだ。


どこにでもあるアメリカの片田舎、
素朴な風景と暮らし
そんな風景を見てると
あれ? という感覚に捕われる

その絵の中にぐいっと引っ張られて、
今、そこに自分が立っているような、
それはまるで、あたかも瞬間移動してしまったかのような・・・・・・


まさにワイエス マジックだ!


私の心を捕らえたのは、
”煮炊き用薪ストーヴ"
右側の小窓からやわらかな光が
赤いゼラニュウムを挿す
真ん中には、ど〜んと置かれた
アンティークなストーヴ
その上に、今晩のおかずだろうか
ホウロウのお鍋がちょこんとある

今にもぽきっと折れてしまいそうな背もたれの
古びたロッキングチェア
そして、
左側の女主、クリスティーナは私が来たのも
てんでおかまいなしだ。
なんてあたりまえの風景なのだろう
なのに、どこかしら嬉しくて、温かくて ほっとする


ふっと我にかえると、
彼のインタビューのビデオが流れていた。
年をとっても
何かが自分の想像力を刺激したら
すぐさま 行動に出るべきである。
すぐ外に出て 行動せよ
そして、一日 一日を精一杯
生きること。
とおっしゃっていた。
91歳になっても描き続けたエネルギー
には驚かされる。
それは、決して義務ではなく、
人生を慈しむかのように。
そんな彼がつい先日、
天国へ旅立ったことを聞いた。
ほんとに残念に思う。

「あなたはもうこの世界にいないけど、
今日は何かちょっとした勇気を
もらった気がしたよ。
ありがとう、アンドリュー」

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